Laboratory of Chemical Pharmacology,Graduate School of Pharmaceutical Sciences,The University of Tokyo
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2021年10月9日にオンラインで開催された第145回日本薬理学会関東部会において、柳下晴也さんが優秀発表賞をを受賞しました。発表演題は「成体動物において発火活動を記録した神経細胞の遺伝子発現解析」でした。
2021年8月28日に札幌で開催された次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2021において、荒木匡さんが優秀口頭発表賞、劉佳妍さんと中嶋美紀さんが優秀ポスター発表賞を受賞しました。発表演題はそれぞれ「マイクログリアはてんかん重積後の聴覚情報処理を障害する」「グルコース摂取によるヒトの実行的注意力の向上」「先天的な防御行動を切替えるための神経回路の解析」でした。
2021年7月28-31日に神戸で開催された第44回日本神経科学大会にて、吉本愛梨さんがジュニア研究者ポスター賞を受賞しました。吉本さんの発表演題は「睡眠中のラットの中枢および末梢神経活動に対するラメルテオンの効果」でした。
2014年より7年間にわたり当研究室の教員として研究と教育に貢献してくださった佐々木拓哉特任准教授が、2021年7月1日をもって東北大学大学院薬学研究科薬理学分野の教授に着任しました。研究室ホームページはこちら
2021年6月25日にオンラインで開催された第23回韓日薬理学合同セミナーにて、松本信圭助教がePoster Award 優秀発表賞を受賞しました。本セミナーは第28回韓国基礎医学者連合会議の分科会として開催されました。松本助教の発表演題は「Acute ramelteon treatment facilitates gamma oscillations in the primary motor cortex and maintains cardiac rhythms of rats during non-REM sleep」でした。
2021年3月26-29日にオンライン開催された日本薬学会第141年会で、鹿山将さん、大柿安里さん、山城皓太郎さんの3名が、学生優秀発表賞を受賞しました。発表演題はそれぞれ「腹側被蓋野の神経活動は末梢免疫機能に影響を与える」「外因性微粒子の脳内動態と脳機能への影響の解明」「Deep learning-based classification of neocortical interneurons」でした。
松本信圭特任助教が令和2年度日本薬学会薬理系薬学部会奨励賞を受賞しました。本賞は、日本薬学会薬理系薬学部会の活動に対する多大な貢献と共に、当該研究分野で優れた研究業績を有する研究者に授与されるものです。松本信圭特任助教の受賞課題は「ノンレム睡眠に関連した海馬の神経活動の電気生理学的解析」で、学生の頃から現職に至るまで一貫して続けてきた電気生理学の研究が評価されました。
海馬は記憶に重要であり、前頭前皮質は意思決定などの行動実行に重要な脳領域です。本研究では、精緻な技術を用いて、多数の微小電極を脳の中に設置する実験法を開発し、生きた動物から、記憶にかかわる海馬の神経細胞活動と、前頭前皮質のシナプス伝達を同時に計測することを可能としました。その結果、海馬の中で記憶に重要な神経活動が起こると、前頭前皮質のシナプス伝達が増加することを発見しました。本研究により新たに解明されたシナプス伝達の実態は、脳が複雑な情報処理を正確に遂行するための普遍的な機構と考えられます。本研究成果は2021年3月24日付けでCell Reports誌に掲載されました。
動物は、将来起こる出来事を予測し、時間経過に応じて適切な行動を選択していく必要があります。本研究では、時間の情報を処理する脳領域として、海馬と線条体に着目しました。数分おきにエサの報酬を獲得するようにラットを訓練させたところ、これらの脳領域の神経細胞が、分単位の時間経過と関連して活動を変化させることを発見しました。この神経活動は、動物が時間経過を生体内に刻むための普遍的な脳内機構と考えられます。本研究成果は2021年2月5日付けでCurrent Biology誌に掲載されました。
アストロサイトは脳の細胞の一種です。本研究では、人為的にアストロサイトの細胞内シグナル経路を活性化させたところ、記憶の形成が促進される一方で、記憶の保持は阻害されることがわかりました。これはアストロサイトから神経細胞への乳酸供給を促進させ、シナプス可塑性を誘導することで記憶を制御することに起因することを突き止めました。本研究成果は2021年1月13日付けでProceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America誌に掲載されました。
近年の細胞実験において蛍光顕微鏡とガラス電極操作は欠かせないツールです。しかし、ガラス電極は可視光域では蛍光を発しないため、蛍光顕微鏡下で視ることができません。そこで希土類イオンの一つであるテルビウム(Tb3+)を添加し、緑色の蛍光波長を持ったガラス素材を開発しました。このガラス素材は吸光・蛍光スペクトルが緑色蛍光タンパク質(GFP)と似ているため、GFP標識された細胞と同時にリアルタイムで目視することができます。この新素材のガラスによって、パッチクランプ記録や遺伝子導入や遺伝子シークエンス解析など、ガラス電極を用いる幅広い実験系において、研究者への技術的負荷を大幅に減らすことができました。本研究成果は2021年1月6日付けでScience Advances誌に掲載されました。