東京大学 大学院薬学系研究科 薬品作用学教室

Laboratory of Chemical Pharmacology,Graduate School of Pharmaceutical Sciences,The University of Tokyo

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2020年のニュース


井形秀吉さんが学習にかかわる脳の情報リプレイの解明に成功(2020.12.18)

本研究では、ラットの脳に多数の電極を埋め込み、報酬を得るために迷路課題を解くラットから脳活動を記録しました。解析の結果、海馬の神経細胞は学習に必要な情報に優先順位を付けて、情報を繰り返しリプレイ(再生)しており、こうしたリプレイが効率的な学習に必要であることが示されました。この結果は、脳研究のみならず、機械学習を効率的に進めるための計算アルゴリズムを考案する上でも、重要な布石となります。本研究成果は、2020年12月18日付けでProceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America誌に掲載されました。



河野玲奈さんが東京大学生命科学シンポジウムで優秀ポスター賞を受賞(2020.10.31)

2020年10月31日にオンラインで開催された第20回東京大学生命科学シンポジウムにおいて、河野玲奈さんが優秀ポスター賞を受賞しました。発表演題は「BUbbly Dense Organization (BUDO): A novel structure of microglia in early postnatal mouse brain」でした。



中野利沙子さんが日本薬理学会関東部会でYoung Investigator Awardを受賞(2020.10.27)

2020年10月24日にオンラインで開催された第143回日本薬理学会関東部会において、中野利沙子さんがYoung Investigator Awardを受賞しました。発表演題は「神経系におけるオーキシン誘導性タンパク質高速分解系の構築」でした。



竹内春樹特任准教授が日本味と匂学会研究奨励賞を受賞(2020.10.20)

竹内春樹特任准教授が日本味と匂学会研究奨励賞を受賞しました。本賞は、嗅覚・味覚などの化学感覚野分野で顕著な業績をあげると共に、将来学会への多大な貢献が期待される研究者に贈られます。



竹内春樹特任准教授がグッドデザイン賞を受賞(2020.10.1)

竹内春樹特任准教授が参画する産学連携プロジェクト”低温乾燥方式による国産杉パネル[SUGINOKA【スギノカ】”が2020年度グッドデザイン賞を受賞しました。本賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。詳細はこちら



中嶋藍助教が日本神経科学学会奨励賞を受賞(2020.7.15)

中嶋藍助教が令和2年度日本神経科学学会奨励賞を受賞しました。本賞は、顕著な研究業績を有するとともに、将来日本神経科学学会で活躍することが期待される若手研究者を奨励することを目的に設けられたものです。中嶋藍助教の受賞課題は「細胞の個性に応じた嗅神経回路形成の分子基盤」で、個々の嗅神経が特有な回路を形成するメカニズムに迫った研究成果が高く評価されました。



佐々木拓哉助教が特任准教授に昇任(2020.7.1)

佐々木拓哉助教が薬品作用学教室の特任准教授に昇任しました。当教室の准教授ポストの変化は2015年の小山准教授の昇任以来5年ぶり。今後は准教授二人体制のなかで研究・教育をますます充実して参ります。



竹内春樹特任准教授がジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞を受賞(2020.5.8)

竹内春樹特任准教授が令和2年度ジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞を受賞しました。本賞は「成体脳のニューロン新生」の発見者であるJoseph Altman博士の業績を記念し、発達神経科学の分野で顕著な研究成果を上げ将来一層の活躍が期待できる研究者を顕彰するものです。



竹内春樹特任准教授と佐々木拓哉助教が文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞(2020.4.7)

竹内春樹特任准教授と佐々木拓哉助教が令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。本賞は萌芽的な研究や独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者に授与される賞です。竹内春樹特任准教授の受賞課題は「脳神経回路の形成原理に関する研究」、佐々木拓哉助教の受賞課題は「脳機能を実現する神経回路動態の研究」で、ともに神経回路の動作原理に関する基礎的な発見が高く評価された受賞です。なお2020年4月に予定されていた表彰式は新型コロナウイルス感染リスクを考慮して中止となりました。



宮脇健行さんが全脳血管ネットワーク可視化に成功(2020.2.27)

血管から漏洩しない蛍光物質を心臓から流し込んだ後、温度依存的に重合反応を開始することによって、ほぼ全ての脳血管を鋳造・染色する手法を開発しました。胆汁酸塩の一種を使った脂質除去により、血管の結合性と、脳組織の分子的な情報を保存したまま、マウス全脳を透明化できることを示しました。 本手法(SeeNet)は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の病態解明に貢献するのみならず、機能的MRI信号の解読への一助になることが期待されます。本研究成果は、2020年2月27日付けでNature Communications誌に掲載されました。



小山隆太准教授がHiruma/Wagner Awardを受賞(2020.2.20)

浜松で行われた第18回精神科学平和探求国際会議(18th Conference of Peace through Mind/Brain Science)において、小山隆太准教授がHiruma/Wagner賞を受賞しました。受賞研究は「Modulation of memory by optogenetically manipulating astrocytic cAMP」でした。



石川智愛さんが海馬神経回路の高精細な自動演算処理を解明(2020.2.13)

脳は多数のニューロンにより構成され、さまざまな情報はニューロンの組み合わせとその活動パターンでコードされると考えられています。こうした活動は発火シークエンスとして知られ、記憶や学習を始めとする高次機能の発揮に不可欠であると考えられていますが、シナプスレベルでどのように伝達されるのかに関しては明らかになっていませんでした。石川智愛さんは、当研究室で開発した大規模スパインイメージング法をさらに改良し、発火シークエンスが高頻度に観察されるsharp wave rippleと呼ばれる脳波の発生時のシナプス入力を大規模に可視化しました。その結果、sharp wave ripple発生時には特定のスパインが特定の順番で入力を受けるシークエンス入力の存在を発見しました。さらに、シークエンス入力を受けるスパインは空間的に近接した位置に存在することも明らかにしました。本研究は、「シークエンス入力という情報演算の最小基本単位により、ニューロンの発火タイミングを制御する」という新たな情報処理アルゴリズムを提示するものです。今後、シナプス入力の時空間パターンという観点から発火シークエンスの制御機構に迫ることで、脳高次機能の解明につながると期待されます。本研究成果は、2020年2月12日付けでScience Advances誌に掲載されました。



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