Laboratory of Chemical Pharmacology,Graduate School of Pharmaceutical Sciences,The University of Tokyo
脳の特徴は自発的変化にあります。脳は自ら活動し、その活動に基いて自らを「変化」させます。
子供から大人への脳の成長・発達、各人に固有な行動や思考の変化、うつ病や認知症などの病気。これらは脳に生じた何らかの「変化」に起因します。記憶も同じです。覚える という行為は「知らない状態」から「知っている状態」への脳の変化です。 つまり、成長、脳高次機能、脳疾患は、すべて脳の「変化」という軸で捉えることができます。その変化の方向(もしくは、あえて変化せずに停留すること)が、たまたま外部から好都合にみえる場合は「学習」「適応」と賞賛され、不都合にみえる場合は「病気」「不適応」として矯正の対象となります。
脳が変化すること、そしてその変化が脳に保たれることを「可塑性」とよびます。薬品作用学教室では、可塑性に主眼を置くことで、薬科学の観点から、人々が健やかに生活できる社会づくりを夢見ています。
脳のために脳を使って脳を知る
脳の発生機構と動作原理を通じて、i)健康と疾患、ii)成長と老化、の仕組みとその意味を探究し、研究成果を幅広く社会還元します。
1. 脳回路が、i)どう編まれ、ii)どう機能し、iii)いつなぜどのように破綻するのか、を解明します。
2. 脳の疾患を、i)治療する方法、ii)予防する方法、iii)予測・診断する方法、を模索します。
3. 脳が秘める潜在力を探索します。
4. 上記1~3を通じて、創薬科学に貢献します。
人々の健康を促進し、人々の知的好奇心を刺激することで、健全な社会の維持に資する研究を行います。